当時はずっと夜空を眺めていた
高校時代不遇の時代を過ごして
周りに馴染めず初めて人生で挫折を味わった
そんな時に夜な夜な集まり
仲の良い友達と毎晩夜空を眺めて
語り合っていた日々
そんな綺麗だった夜空には
もっと綺麗に見える場所があると
父親から聞かされており
人生で一度は行ってみたいと思っていた
丁度私は主夫という立場になり
時間が十分過ぎるほど潤沢です
タイミングはバッチリで
即行動に移します
目指すは『剣山』
美しい夜空を見るには
光害という問題があり
都会のように明るいと
夜空が十分に味わえないのである
そこで調べてみると
徳島県の『剣山』が候補に挙がります
格安航空と格安宿なので費用も割安だし
観光にもそこまで費用は掛からない
何より一人旅だし気軽だ
1人で見たかったもの、目指していたものを
求めて知らない土地に突き進んでいく
剣山の頂上を目指して車を進める
道中で雪があったり怖い思いもしたけど
事前に確認していたし大丈夫
ロープウェイで頂上手前まで向かい
あとは自力で登っていく
雪があって滑るので気を付けて登っていく
パーカーと長ズボンという
散歩にでも出かけるような恰好で
数少ない登山客の中でも浮いていたと思う
ただウェットスーツを仕込んでいるので全く寒くないという
2000m級の山の頂上に到着すると小屋がありますが
そこでは水は貴重で水洗トイレではなく風呂もない
自然の険しさを物語っています
特に冬前の閉山シーズンだったので
人も少なくてより雰囲気を醸し出します
宿泊する小部屋は3畳ほどの部屋です
THE簡易宿泊という感じ
私としては泊りに来たわけでなく
星空観察がメインにて気にならないし
山頂での現実を自身の目で
確認出来たことに納得と満足を覚えます
そして迎えた深夜2時
星空を眺めにデッキへ向かい
0度近くの状況でも
ドキドキして興奮しているので寒くありません
風も吹いていましたが
満点の星空をウッドデッキに寝そべり観察します
遮るものはなく
1人で前面の星空と向かい合います
事前にプラネタリウムで星空を勉強してきたので
星座や宇宙の解説を思い出しながら
自然の強大さを全身で感じます
とても贅沢な時間だった
1時間以上滞在し思いに耽りました
部屋に戻って次の朝日に備えます
夜空を見た後の朝焼けはギャップが凄くて最高に綺麗でした
太陽に照らされる美しさと
壮大な山々を目の前にして
吸い込む空気の鮮度
光が辺りを明らかにしていく様が
太陽の凄まじさを語っており
目の前の強大なスケールを感じつつも
自身に対しても太陽のパワーを感じれて
偉大さと力強さを思い知ります
更には色も鮮やかでカッコいい
これが美しさの真実な気がしました
誰かに連れてってもらわず
自らが求めて手に入れた光景を体験出来たことは
一生の思い出になり2年経過した今でも鮮明に思い出されて
更には磨かれてより綺麗な思い出になっております
私はこの経験を胸に秘めて
日々自身と向き合い自問自答を深めていきます
ということで第10章終ります