主夫の軌跡 第6章 沈黙と洞窟

退職して家に居る日々が続き

日中は物音がしない一人だけの空間となります

そこでは座禅を組み瞑想を行います

何を考える訳でもなく

ただただ深呼吸に集中して過ごします

最初は深呼吸の回数を30回と定めて

徐々に回数は多くなっていき

今では深呼吸150回で1時間が経過しております

呼吸を深く長く意識して

他の事は考えず考えてしまったら

呼吸に意識を戻してを繰り返すだけ

 

未来の事、今の事、やるべき事など

色んな考えが浮かびますが

取り合えず頭の隅に置いといて

呼吸にだけ意識を向かせる

 

他に何も音がしない空間で

無音の作業をしていると聞こえてくる

空調の音、心臓の鼓動、指先や足先でも鼓動を感じれます

普段意識していない感覚を体感し

研ぎ澄ましていきます

 

当初は小屋裏部屋で真っ暗にして

耳栓装着し一人でこっそりやっていましたが

今では家族がいてもお構いなしで

リビングの真ん中でやっております

2年くらいやっていると

全く気にならなくなり小屋裏まで

移動したり、家族が静まるまで待つことさえ

億劫になってしまうのです

そして何より長く続いている要因としては

確実に進歩を実感出来るから

気性は落ち着き、何事にも集中力を

発揮出来るようになってきました

  

外での交流が多かった32歳までは

全く知り得なかった世界

雑音がなく心穏やかに集中する空間

仕事を辞めたおかげで自分に全集中出来る環境

自分と向き合い何が本当に大切か考えさせてくれる

今後どうなりたいのか、何を頑張りたいのか

楽しいことはなにか、興味が沸くことはなにか

自分に対してずっと疑問を投げ続けて

興味が沸いたら実行していく

他人が踏み込めない領域は

本人しか楽しめないし

他人は関係ないし必要ない

 

自分に没頭していく時間

今が一番人生で楽しいと感じる

今までは楽しむベースを作ってきたのだと思う

結婚して子供を作って家を買って

あとのやることをどうしようと思っていた矢先に

自分だけの時間を確保出来て新しい自分に出会えて

世界が広がり日々鍛えて成長していくことが楽しい

 

社会的な役割は32歳までに全う出来たし

仕事も別に好きでやってたわけでもないし

職場での人間関係も深く刺さるものは無かった

退職に対して後悔もないし

今はこれからのことや今に対して時間と労力を費やしたい

  

色んな人間がいるけど

私は自分に対して向き合うのが

好きなタイプで良かった

 

ありがとうございます

という事で主夫の軌跡は終ります

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA