愚直に続けるということ

「続けること」。
これは特別な才能でも、気合や根性でもない。
ただ淡々と、自分の足で1ミリ前に進むだけだと、私は最近ようやく腑に落ちるようになった。

1ミリは小さい。誰にも気づかれないし、自分でも変化を実感しづらい。
しかし、この1ミリには、とてつもない力があると私は感じている。
なぜなら、1ミリは積み重ねれば1センチになり、1メートルになり、そして宇宙の果てまで続いていくからだ。
1ミリとは、終わりのない道をつくる“始まり”そのものだ。

私は日々の生活の中で、「今日の1ミリは何か?」と自分に問うようにしている。
それが開拓作業なのか、畑の手入れなのか、瞑想なのか、家族の時間なのか、身体を鍛えることなのかは、その日によって違う。
ただ、“何かしら前に進んだかどうか”だけを大切にしている。

一気に何かを成し遂げる必要はない。
むしろ、そんな日は滅多に訪れない。
だけど、1ミリならどんな日でも積める。病み上がりでも、疲れていても、気力が足りなくても、1ミリだけなら進める。
そして、その1ミリが未来へ繋がる道を切り開いていく。

不思議なことに、積み重ねを続けていると、ある時ふと気づく瞬間がある。
“あぁ、自分は前より確実に強くなっているな” と。
これは気のせいではなくて、1ミリを積み重ねてきた自分が確かにいるからだ。

積み重ねた「今」の私は、人生で一番強い。
この感覚は、自信とは少し違う。
「積み上げた事実がそのまま私を強くしている」という、静かな確信に近い。

そして面白いのは、強くなればなるほど、また次の1ミリを積みたくなることだ。
満足して止まるのではなく、淡々と続けたくなる。
流れが止まらなければ、自分も止まらない。
人生は意外とシンプルなのだと思う。

1ミリの積み重ねは、人生のあらゆる場面に応用できる。
1をやれば10ができるようになり、10ができれば100ができるようになる。
これは努力論ではなく、ただの“物理的な話”だ。
積み重ねた量が、そのまま結果になる。当たり前のことを当たり前にやるだけでいい。

私は器用ではないし、何かを一気に達成するタイプでもない。
それでも前に進めるのは、1ミリの意味を理解しているからだ。
派手さもいらないし、周囲の評価も必要ない。
ただ、自分が歩いた1ミリが、未来へまっすぐ伸びていることが分かれば十分だ。

これからも私は、小さい前進を続けていく。
どれだけ小さくても、積み重ねれば“宇宙の果てまで続く道”になる。
その道の上に立つ自分は、明日も明後日も、さらに強くなっていくだろう。

私はただ、自分の人生に対して誠実でありたい。
そしてその誠実さとは、特別な言葉や大きな覚悟ではなく、
たった1ミリを積み重ね続けるという、静かな行動の連続だ。

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