竹の燃し場の作り方
放棄地で実際に使えた構造・サイズ・運用方法をすべて公開
竹林整備や放棄地開拓を進める中で、
必ず直面するのが **「どこで、どうやって燃やすか」**という問題です。
検索すると
- 焼却炉
- ドラム缶
- 市販設備
などが出てきますが、
放棄地で現実的に使える燃し場の情報はほとんどありません。
この記事では、
放棄地を取得して10カ月、
実際に竹を焼却して運用している燃し場について、
- 作り方
- サイズ
- 掘削深さ
- 囲いの高さ
- 危険にならない火柱の目安
- 運用ルール
を、経験ベースで全て書きます。
結論:燃し場は「掘って・囲って・欲張らない」が正解
先に結論です。
燃し場は複雑に作る必要はありません。
- 地面を掘る
- 周囲を囲う
- 無理な量を入れない
これだけで、
安全性と作業性は大きく変わります。
実際に使っている燃し場の基本構造
私が使っている燃し場は、
掘削+鋼製サッシで囲う方式です。
構造(西側燃し場の例)
- 囲い:鋼製サッシ
- 囲い高さ:70cm
- 埋設:20cm
- 掘削深さ:40cm
- 有効囲い高さ:約110cm
この構造で、
非常に安定した焼却が可能でした。
なぜ地面を掘るのか?
掘削には明確な理由があります。
- 火床が下がり、火柱が上がりにくい
- 風の影響を受けにくい
- 灰や炭が外に飛びにくい
- 鎮火作業がしやすい
特に重要なのは、
火の高さを物理的に制限できる点です。
囲いは「安全装置」
囲いは飾りではありません。
- 竹が崩れ落ちない
- 火の方向を制御できる
- 火の粉が飛びにくい
鋼製サッシを使っていますが、
要は 燃えない・倒れない・高さがあるものなら成立します。
火柱の高さの目安(重要)
私が運用している基準は以下です。
- 囲い天端+1m以内 → 許容
- それ以上 → 入れすぎ/危険
この基準を超えそうになったら、
即投入を止めます。
火柱は
「高いほど良い」ものではありません。
燃し場のサイズは「欲張らない」
一度に大量に燃やそうとすると、
- 管理が雑になる
- 火の挙動が読めなくなる
- 精神的な負荷が跳ね上がる
結果、
危険度が一気に上がります。
私は
**2時間・約2m³(100kg程度)**を
1回の上限にしています。
燃し場を作る場所の選び方
以下を重視しました。
- 周囲に可燃物がない
- 風が直接抜けない
- 運搬距離が短い
- 拡張・整備がしやすい
特に、
運搬距離の短さは重要です。
これだけで疲労が激減します。
焼却後の鎮火と運用ルール
燃し場は「燃やして終わり」ではありません。
私の運用ルールは、
- 燃焼後、炭を山に成形
- 水を約36L使用
- 残火確認30分〜1時間
- 次の焼却は2〜3日後
連続使用はしません。
理由は
安全確認と精神的負荷を下げるためです。
燃し場を使うことで土地が見えてくる
燃し場を作り、使うことで、
- 土の柔らかさ
- 排水性
- 空洞化のしやすさ
といった
土地の性質が強制的に分かります。
燃し場は
処理設備であり、観測装置でもあります。
まとめ:燃し場は「管理できるサイズ」が正解
- 燃し場は掘削+囲いが基本
- 火柱は囲い天端+1m以内
- 量を欲張らない
- 連続使用しない
- 鎮火まで含めて1作業
放棄地取得から10カ月。
この形が、
最も無理なく、安全に続けられる燃し場だと確信しています。