竹焼却で地面が柔らかくなる理由
放棄地で実際に焼いて分かった土の変化と注意点
竹を焼却したあと、
地面が異様に柔らかくなることに気づいた人は少なくありません。
- スコップが急に入りやすくなる
- 灰を取ると穴が広がる
- 昨日まで固かった場所が沈む
これは気のせいではなく、
土と熱と水が引き起こす物理現象です。
この記事では、
放棄地取得10カ月・東西2か所で実際に焼却した経験をもとに、
- なぜ竹焼却で地面が柔らかくなるのか
- 危険な状態と安全な状態の違い
- 放置するとどうなるか
- 焼却後にやるべき対処
を分かりやすく解説します。
結論:原因は「熱・水・空気」の三重作用
竹焼却後に地面が柔らかくなる主な原因は、次の3つです。
- 高温による土粒子の構造変化
- 水掛け消火による内部崩壊
- 地下の有機物・空洞の消失
これらが同時に起きることで、
地盤が一気に弱くなります。
① 高温で土の結合が壊れる
竹焼却では、
- 表面温度は数百度
- 地中にもかなりの熱が伝わる
この熱により、
- 粘土質の結合が弱まる
- 土粒子同士の摩擦が低下
- 乾燥→急冷で微細な割れが発生
結果として、
**踏むと沈む「粉っぽい地面」**になります。
② 水による「内部崩壊」が起きる
焼却後は必ず水をかけます。
このとき問題になるのが、
- 表面は冷える
- 内部はまだ熱い
という状態。
ここに大量の水をかけると、
- 蒸気が発生
- 内部圧が変化
- 微細な空洞が一気に潰れる
その結果、
地面全体がフワッと緩むのです。
③ 地下の有機物・根が焼失する
竹林の地面には、
- 竹の地下茎
- 枯れ根
- 腐植
が大量にあります。
焼却熱が地中まで届くと、
- これらが炭化・消失
- 支えを失った土が崩れる
結果として、
**「穴が勝手に拡張する地面」**になります。
これは実際に
灰を除去した際に強く実感しました。
実体験:西側燃し場で起きた現象
西側燃し場では、
- 焼却後
- 灰を取り除く
- スコップを入れる
この流れだけで、
- 穴が想定以上に広がる
- 深さが勝手に増す
- 土が自重で崩れる
という状態になりました。
これは
焼却が原因で土が弱体化した典型例です。
竹焼却で柔らかくなる土の特徴
特に注意が必要なのは以下の土です。
- もともと柔らかい
- 有機物が多い
- 水はけが良すぎる
- 表層が軽い
こうした土は、
焼却による影響を受けやすいです。
地面が柔らかくなったまま放置すると?
放置すると、
- 燃し場が勝手に拡張
- 囲いが沈下
- 水が溜まりやすくなる
- 次回焼却の安全性が低下
つまり、
燃し場として使い続けるほど危険になります。
対処法:柔らかくなった地面への対応
私が行っている対処は以下です。
- 焼却後すぐに連続使用しない
- 数日〜数週間乾燥させる
- 灰を移動して地面を休ませる
- 必要なら用途変更(穴居・掘削)
無理に燃し場として使い続けない
これが一番重要です。
焼却に向く土は「変化しにくい土」
対照的に、
締まりのある土では、
- 焼却後も形が崩れにくい
- 灰除去でも穴が広がらない
- 地盤が安定している
同じ敷地内でも
土質で結果は大きく変わります。
まとめ:柔らかくなるのは異常ではない
- 竹焼却で地面が柔らかくなるのは自然現象
- 原因は熱・水・有機物の消失
- 危険なのは「使い続けること」
- 土質を見極めて用途を分ける
放棄地での焼却は、
火を見る作業ではなく、地面を見る作業です。