芥川賞作品『推し、燃ゆ』の世界へようこそ!

文学に触れる日々はなんと贅沢か

 

読書している自分に酔ってしまいがちな私ですが

最近読み終えました芥川賞作品の

『推し、燃ゆ』を解説していきます

 

このブログでは名作を素人が読んだ

理解度や的外れな見解が分かると同時に

注目シーンもご紹介させて頂きますので

どうぞご覧ください

 

目次

主人公は女版『のび太くん』のような

主人公のアイドルオタクは高校2年生の女子高生です

 

小説内では女性としての魅力は全く描かれず

不摂生で不健康で体質が弱い描写ばかりで

マイナスイメージが先行しまくります

 

アニメに出てくる活発でハツラツとした

キャラクターとは程遠くギャップも読んでて面白かったです

 

現実世界でも想像しやすい主人公の環境や心境が

細かく描かれていて普段知り得ない女子高生の

生態を読んで想像するたび笑ってしまいました

 

女子高生も普通の人間であり

男性にありがちな女性へのイメージは

払拭されることでしょう

 

男も女も身体は違えど

気持ちや考え方で共通することは沢山あると感じました

 

主人公は勉強が苦手とだらしない性格により

欠席や試験結果が悪く高校を留年します

高校を留年する学生は600人に1人の割合ですが

上記理由による留年は少ない気がしますけど・・・

 

素行が悪い訳でもなく

単純に頭が悪いだけで留年するのは

レアな気がします

 

主人公は感情表現が乏しく

留年が決まったことにより退学を決断して

父親に自立を迫られた時は

感情は動かないのに

身体が反応して涙を流します

 

母親や姉貴に何を言われても

感情を出すことがありません

 

機械みたいで怖いですよね

かといって暴力的でもないし

色々と深そうで、のび太より厄介そうです・・・( ´∀` )

 

全てを捧げる情熱が眩しすぎる

主人公は感情に疎いですが

推しに全てを捧げると同時に

生きる活力も見出しております

 

主人公の力全てが『推し活』になっております

 

主人公にとってアイドルは

生きる希望でアイドルに関係ない事は

やる気が全く起きません

 

全ての行動に対して

アイドルからパワーを貰わないと

動けないほど無気力なのです

 

高校一年生でアイドルオタクになるのですが

そこから沼にどんどんハマっていきます

 

それまで何とか生きていたパワーが

推し活に全て注がれる主人公は

止まる事がありませんでした

 

高校一年生で多感な時期に目覚めて

全力で推し活を行う姿や信念を貫く

強い気持ちやよそ見をしない一途さや

他の事は一切視野に入らない姿が

眩しすぎて羨ましく感じました

 

そういう学生もいるわなと感じましたが

家族には全く理解されないのが可哀想でした

 

いつも傍にいる母親と姉貴に理解されないのも辛いけど

母親はメンタル弱いし姉貴も母親に気を使って可哀想だし・・・

父親は無関心で合理的に話を進めるだけだし・・・

 

主人公にもう少し優しくしても良さそうだけど

家族となったらそうなってしまうのかと

悩ましく感じました

 

喪失後の心境

結局アイドルは結婚をするために

芸能界を引退します

 

全てを失った主人公は

死ぬわけでもなく

立ち上がる気力は無くしたけど

四つん這いの状態で何とか生きていくことを

決意して物語は終わります

 

引退会見を見ただけで主人公は納得出来ず

結局アイドルの家を無意識に見に行ってしまう

シーンは夢中で読んでしまいました

 

ベランダにいた女性と

目が合って気まずくなって帰るのですが

そのベランダに干してあったのは

見覚えのある・・・・みたいな

想像がどんどん膨らんでいって

楽しかったなぁ~~

 

こんな小説を若い作者が書いたって

考えると素晴らしい才能だと思います

 

ずっと読みたかった作品だったし

面白くて夢中で読んでしまいました

とても満足な作品でした 

 

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