芥川賞受賞作『夢の壁』の読書感想文

こんにちわ

専業主夫のSTEDです

 

芥川賞全集には

品評者達の解説も書いてあり

初めてその道のプロの意見を読みました

 

それに負けないように

素人なりに解釈をしていく所存です

 

今回読ませて頂いたのは

『夢の壁』加藤幸子著書 昭和57年受賞

 

終戦前後の時代背景で

場所は中国の田舎町

城の壁が出てくることから

万里の長城がある地域

村の周りには日本軍が陣地を構え

来る大戦に備えております

 

村は貧しく父親は出稼ぎで不在

ばあちゃんと母親と7歳の息子のウーウェンで

少ない家畜と畑を管理しています

  

そんな村の向こうに見える

城壁に強い憧れを持ち

壁の向こう側には未知なる世界が

待っていると胸を高ぶらせる日々を

ウーウェンは過ごしてましたが

壁に近づくことは禁止されてました

 

ところが好奇心を抑えられず

壁に近づくと中国兵に見つかります

そして近くで見た城壁は

ボロボロで想像と違い真実を見ました

  

その後村では母親が日本軍に売春させられ

結局戦争に巻き込まれて死んでしまったり

 

残されたばあちゃんではウーウェンを育てられず

出稼ぎの父親の元に送られて行きます

そこで出会うのが在中日本人で

少年より2歳年上のサーチー【佐智】である

 

佐智は日本人として差別を

感じながら生きていきます

 

中国人なのに愛してくれる

ウーウェンの父親や

日本人に母親を殺されたウーウェンと

共に生活し過ごして行きます

  

佐智両親→日本に帰りたい一心

ウーウェンが家に来ることは警戒

ウーウェン父→日本人を差別しない

ウーウェン→

佐智は好きだけど日本人は嫌いで同士と仲良くしたい

佐智→

両親が日本に帰りたい気持ちがわからない

ウ父の優しさを少し疑い中国人の差別を感じる

 

登場人物も少なく物語は

淡々と過ぎていき最後は

日本に帰国するために

すし詰め状態で乗り込んだ列車から

見えた城壁に座ってハモニカを吹く

ウーウェンを感じて終わりました

 

佐智が見た怖い浮浪者

ウーウェンの憧れた城壁

殺された母親

容赦がない汽車の中

対立しないように牽制しあう異国の子供達

弱っていくばあちゃん

若いけどだらしないウ父の新女房

謝罪のつもりかお返しのハンカチ

 

佐智は少しづつ理解している

戦争によって今の環境になっていること

だけどウ父は無視したウーウェンを怒ったこと

そういう中国人もいること

 

何を伝えたかったのか・・・

怒号が飛び交う列車から見た

城壁でハモニカを吹くウーウェンを

感じた気持ちは何か

  

新たな旅立ちを応援してくれたのか

汽車にいる日本人も

お金をもっていない中国人も

全て人間で同じだということを伝えたいのか

  

色んな苦しみを持って生きていることが

人間ということなのか

 

小説には人それぞれの解釈が

あると思いますが

私はみんなが幸せになることを望みます

そして普通に小説は楽しいです

   

プロの感想ではきっと

『この一節が対照的で・・・』とか

『ここは○○氏の文法に似ていて』とか

『作者の環境の背景が・・・』とか書いてあるでしょう

 

僕にはさっぱりわかりません

それではまた明日さようなら

 

 

 

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