芥川賞受賞作品『父が消えた』を読んだ感想

こんにちわ

STEDです

 

『父が消えた』を読みましたので感想文を書きます

 

八王子の霊園へ向かっている途中に

自分の父が死んだ話が盛り込まれてますが

その文章が実に純文学

  

全くエンタメ性はなく

黙々と身近な日常を美しい文章で

彩っていく様はまさに文才の塊

  

終始読みごたえがあって楽しかった

 

毎日の経験を文章によって

楽しい気持ちにさせたり

新しい感覚にさせるのは素晴らしい技術だと思うし

日本語の素晴らしさを感じます

 

公営の霊園と私営の霊園の違いや

あの世へ行くのに何も無い方が未練がないとの考えや

世の中が資本主義に執着し過ぎている様や

父が死んでいった様が記憶に刻まれた

 

特に父が生きているにも関わらず

徐々に死んでいたという表現が

かなり的を得ていて心に突き刺さった

 

人間は加齢により劣化していく段階で

徐々に死んでいるのだと感じた

 

まさに今私の状況と同じく

両親が加齢により劣化していく様を見ており

全く同じ気持ちだった

  

劣化していく両親と会話する気になれず

私の中では既に死んでいる状態だった

そして絶縁状態にあり

会わなければ死んでいるか生きているかも

わからないのでそのまま放置しようと考えている

  

徐々に死んでいくのは

人間誰しも通る道ですが

死にゆくペースを落としたり

死んだと判断されるのを防ぐ努力は必須だと思う

 

作中の主人公も

生きながら徐々に死んでいく父に対して

徐々に死んでいった段階から気持ちを整理しており

本当に死んだ時点で全く動揺しておらず

未来の自分と重なった気もした

   

この作品の教訓として

・徐々に死んでいる判定をされないように努力しよう

・何事も執着し過ぎは良くない特に資本主義

 

この作品の主人公は男性ですが

とても中性的で馬場君との関係もあやふやなので

謎が多く想像が膨らみます

 

ここらへんもメインストーリーとは

違うサブクエストを楽しむようで

味わい深いです

 

ということで本日のブログは終ります

それではまた明日さようなら

 

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