芥川賞受賞作品『首里の馬』の感想と解説

芥川賞受賞作品

『首里の馬』を読みました

 

読み終わったあと

未奈子の気持ちを考えても

上手くまとめれないので

ブログに殴り書きして整理してみようと考えました

 

結果から先に言うと

『後半から面白さが増してくる良い作品』

 

それでは解説していきます

 

目次

登場人物から紹介

未名子【みなこ】

中学生時から順さんの資料館に入り浸り

情報が全て開示されているこの空間が好きになった

順さんが説明しないと価値がない資料達が

人間嫌いな私に衝撃を与えた

電話対応の仕事が無くなりクイズを出す仕事に就いた 

30歳くらいの女性で実家の一人暮らし

特に趣味もなく質素に暮らしている

 

順さん【よりさん】

日本中の様々な情報を集めたものを資料館にしている

知識を蓄えることが信念として昔は組織を率いていたが

世の中には受け入れられず壊滅し

今では沖縄でひっそりと暮らしている

今はご老体でほとんどしゃべらなくなった

 

途さん【みちさん】

順さんの娘で町医者

奔走している母親とは一緒に生活をしておらず

思想家だった母親を好きになれなかった

時代的に日本が絶頂期なのに

裏で組織を作って表側に来れない母親を

可哀想だと感じていた

 

カンベ主任

見た目はおっさんだけど

誠実で嫌味がなく丁寧な人間

 

人間嫌いな未奈子はカンベ主任に

対してとても好印象を受ける

 

ヴェンダ

宇宙に取り残された知識人

 

故郷でクーデターが起きて

祖国に帰れなくなった

 

ポーラ

海底にいる知識人

 

裕福で何不自由ない家庭に生まれ育つが

どうしても馴染めず一人で生きていく場所に辿り着く

 

それは裕福な人間はこうしてはいけないという

暗黙の了解的な物に耐えれなかったことが原因という

 

周りの人間が思っている常識に心底うんざりしていた時に

家出もどきで孤独な夜を過ごした時に

初めての豊かな睡眠を味わったことにより

自ら孤独な人生を選択した

 

ギバノ

戦地のど真ん中のシェルターにいる知識人

 

戦争に染まった環境で育ち

戦争から離れて生きていこうとするも

全ては戦争とリンクしていることに気付く

 

そして今は特殊な人質としてシェルターで独り

 

ヒコーキ

未名子の家に迷い込んだ宮古馬

 

未名子と相性がいいのか

懐いているのか不明だが

終盤では未名子に乗りこなされる

 

推察

未名子は事実から目を背けたり

隠されたりしている世の中で

光も闇も全て解放された空間の資料館に心を奪われた

 

そして解放されているのに

知ろうとしない人間達や

勝手な思い込みで判断する人間達を嫌っていた

 

順さんに対しての深い愛情を感じた

涙を流しながらの途さんとの会話

理解されないことの悲しみも

理解し合えないのが人間という現実も

凄く複雑な気持ちになりますが

 

最後ヒコーキに乗って街中を撮影している

堂々たる姿に迷いはなくとても立派に感じました

 

ちなみに知識人に贈った言葉

『にくじゃが』『まよう』『からし』の答えは何なのか・・・ 

 

順さんは

知識こそ全てだったけど

周囲に理解されず迫害されて

ひっそりと資料館を営むことになったが

教えを乞うものには全てを伝える姿勢は変わらない

 

最後台風を見に行く描写は

死後の世界が怖いことを意味していたのだろうか・・・

何に恐怖を抱いて何を知りたかったのか

深く考えさせられます

 

世界観に没頭出来て

とても有意義な作品でした

 

結論としては色んな人間がいるから

各々が後悔しないように

人生を全うすれば良いということですね!!!

それでは

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