スティル・ライフ
池澤夏樹先生の作品です
今の彼は芥川賞を選ぶ立場の人間です
とても偉大な人物となりました
そんな若かりし頃の作品
『スティル・ライフ』を読んだので感想を書いていきます
最近の芥川賞受賞作品の帯にコメントが
書かれていた名前が池澤夏樹だっただけの
知識で書いてますのであしからず
それ以外は何一つ知り得ません
佐々井という魅力的な謎の男
佐々井という名前すら偽名
本当の名前も探さないと思い出せない
それくらい逃亡生活が馴染んでいた
20代にも見えて30代にも見えて
知的な会話から落ち着いており
独特な雰囲気の佐々井という男
全てを知り尽くしているようで
無駄な行動は何もしない
傍から見たらつまらない男
だけど私の見解はありたい姿
経験豊富だと焦らない
知っていると要否の判断が出来る
自信があり強い精神を保ち弱気にならない
佐々井はカッコいい
ただし
お酒が好きという
飲み過ぎはよくないことを教えたい
せめて月に2回くらいにして欲しいかな
お金も稼げるけど
お金に無頓着
それは自分の価値を理解して
生き方を知っているから出来ること
こういう人生を歩んでいきたいと感じさせる人間だった
最後には
未練なく主人公と別れる形も
男らしくメリハリが効いていて素晴らしかった
ネチネチやウジウジやダラダラという
情けない感情を一切抱かせない男が
佐々井という謎の男であり
この小説全体が心地よい世界だった
主人公も影響を受ける
佐々井に見いだされ
仕事のパートナーに抜擢される
主人公は若い
生活には困っていないが
アルバイトしながらフラフラ生きている
発展途上の人間
まさにこれからの人間
そして頭も悪くない
そんな人間の前にカリスマ佐々井が現れたら
注目してしまうのは無理もない
主人公は佐々井から哲学を学ぶ
自分で責任を取れる範囲で行動する
後悔はしない
嫌なことはしない
目の前のことに集中すること
遠くから自分を客観的且つ多角的にみること
この2つを振り切ること
多くの人間はこれが出来ない
選択肢が多くて迷うことが多いから
佐々井と過ごした主人公は今後どうやって
成長していくのか想像してみますが
結局は自分次第
この縁を無駄にしない努力をするかしないかだけ
主人公は無難に今後も生活していくでしょう
幸あれ
それではまたさようなら