芥川賞受賞作品『やまあいの煙』の王様が印象的

こんにちわ

専業主夫のSTEDです

 

純文学とは何なのか

文学に精通しているわけでもない

私的に言わせると

『淡々と過ぎる日常』

『飾らない日々』

『何気ない時間』を

文章で表現しているもの

 

決してドラマ仕立てではなく

劇的でも物語でもなく

小説の終わり方もスッと・・・フッと

消えてしまうような感じ

 

問題を特に解決することもなく

普段の日常に溶け込んで終わります

 

読み終わった後のなんとも言えない喪失感を

味わいながら『ぅ〃ん~っ』と感慨深さに耽るのが醍醐味

 

そんな代表的な作品

『やまあいの煙』

昭和後期の作品ですが

とても楽しめましたので

感想を書いていきます

 

彼は火葬場で死体を葬る仕事

それは父親から引き継いだ仕事

人間の最後を飾る仕事

残された人間とも接する仕事

 

世間では人間のあまり触れられない部分に

毎日接していて且つ仕事の質は最高級

やってる本人も気質があり人格者です

 

ただ仕事は世間的には否定的です

昔からあるような差別的な仕事で

忌み嫌われる職種

偏見の目にさらされて

苦しい思いもあったでしょう

 

そんな仕事でも受け入れて

技術の向上に前向きな彼は

とても好印象です

仕事も丁寧で親切で

弱者に寄り添い励まし

嫌味が全くなくて綺麗な人間だと感じました

 

そして彼は妻候補を見つけて

自分をさらけ出して婚姻を申し出ますが

妻候補は躊躇して答えを出せないでいました

 

その最中に出会った老婆との出会い

  

性的感情の起伏が激しすぎて

欲望を制御出来ない病気の息子を

守るため家族が離散しても

一人で守り抜いた老婆の母親が

火葬場にリアカーを押して登場します

 

坂道を必死で押してくる姿は少し怖かったですが・・・

 

老婆の話を丹念に聞いて

心を和ませた主人公は

憔悴した老婆を気にかけて

後日自宅に赴きますが

老婆は倒れております

 

病院に連れていき看病をして

彼は老婆にもし当てがないなら

私が面倒をみるので

気があるなら家に来なさいと

老婆に伝えます

  

人とは異なる体験をしてきた老婆なら

私を受け入れてくれるかもしれない 

 

彼の母親は父親を軽蔑して

家を出ていきました

世間とはそんなもの

ただしこの老婆は一味違うと

感じたのでしょう 

 

後日老婆がやってくる前に

妻候補が自宅にやってきます

『結婚は難しくて答えが出ないけど

貴方に会いたい気持ちは抑えられなかった』との事

   

その後老婆が家にやってきた後に

出てくる文章が一番記憶に残っております

 

『私は王様になった気分』だと・・・

 

今まで誰からも理解されない自分が

理解されようとしている

しかも異性が2人という中で

この衝撃の一言・・・

  

天使が悪魔になった瞬間のような錯覚

一瞬で状況が変化したと分かる内容

今後の展開が大きく動く出す予感

 

彼がどうなるのか

気になって終わりますが

日常の話がそこでスッと終わりました

 

芥川賞はこうやって余韻に

浸らせてくるので本当に楽しい

 

彼にとってこの出来事が

良いことになることを願って

ブログを終わります

それではまた明日さようなら

  

教訓としては

・行動すれば何かが起こる

・未来は予測出来ない

・人生に目的を持っている人間はカッコいい

 

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