芥川受賞作品『榧の木祭り』という閉鎖社会を客観的に読む

こんにちわ

STEDです

 

芥川賞受賞作品の『榧の木祭り』を

読みましたので忘れない内に感想を綴ります

 

とある山奥の村の祭りの話です

1年に1度村人が榧木の実を集めることを競い

1位を取ったら花嫁を選びビリになったら村を出ていく掟

 

物語はガシンという少年で

初めて祭りに参加する小童上がりです

祭りや花嫁のことが未経験の為

色んな人に聞きたいけど

肝心なことに辿り着かないし

下手に聞くと怒られるという始末

 

そんな時過去にビリを取って

村を出ていったお爺さんが

村の務めを行うために帰ってきました

そこで下界の話を聞いてみても

全く肝心なことを喋りません

 

まさに鎖国状態で

村人全員が掟を全うし

生きている社会が形成されております

 

そんな中でも同い年の友達は

村に疑問を持ち続けて

村の掟の意味を問い続けます

理由として彼は祭りによって

母親と離れ離れになってしまったからです

 

ガシンも父親と母親を祭りで失っていますが

婆さんによる教育で何の疑いもせず

健やかに?成長しております

 

お姉さんもいますが

ガシンを世帯主にしようと

花嫁に行かず耐え忍ぶ生活をしております

 

どこまでも真実を追求するもの

→同級生の友達

真実を追求したものの果ての姿

→帰ってきた爺さん

村の教育で従順に育ったもの

→ガシン、姉さん

 

結局ガシンは祭りで

1位を取り花嫁を行い

榧木の下に生き埋めされて終ります

そのことを知っていた婆さんは

祭りを全力で行わず

ほどほどにするよう指示されてましたが

さじ加減が分からずガシンは1位になってしまいました

村の掟上祭りの内容は

喋ってはいけないので

婆さんも濁して伝えていたのが

あだとなりました

 

父親も母親もガシンすら

失った家族は今後どうなってしまうのか

ガシンが1位になったことにより

家は増築が約束されて快適になり

食料消費が減って暮らしやすくなりましたが

ガシンは帰ってきません

 

ずっとこういった掟を守り

暮らしてきた山奥の部族

何が正解かわかりませんが

幸せに暮らせている又は

後悔しない生き方が出来ていればいいでしょう

 

自分がもしこの村人なら

何も疑わずガシンのようになっていたと思います

 

ガシンを見ている限り

彼は人生を全う出来たと感じます

狭い世界でしたが何も疑わず実直に生きておりました

今さら何を期待しても彼は死にました

 

閉鎖社会で何とかギリギリ暮らしている部族には

他の手段を試すゆとりがないのでしょう

近代化社会育ちの私としては

その世界から抜け出せないガシンは貧困の極限状態と考えます

 

生きていけてるだけで満足ですが

他に選択肢がない状態もつまらないですね

   

世の中は広く

色んな事象があるで

私は私を貫いて生きていこうと

改めて感じました

 

という事で本日のブログは終ります

それではまた明日さようなら

 

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