──自分の世界観を守りながら、家族に寄り添うという生き方──
子育てをしていると、世の中には本当にさまざまな親子の距離感や文化があることに気づく。公園で遊ぶ子どもたちを見ていても、親の関わり方は十人十色だ。
そして私は、自分が「少数派の父親」だと自覚している。群れずに生き、必要以上に人と交わらず、それでも家族には深い愛情を注ぐ。いわば“孤高な父親”というスタイルだ。
しかし、孤高であることは決して冷たいことではない。むしろ私は、この生き方こそ子どもにとって豊かな環境をつくると考えている。
■ 孤高な父親が大切にしているもの
孤高とは「一人で生きること」ではなく、
“流されずに生きる” という姿勢だ。
子育ての現場で最も大切にしているのは、
「自分の価値観で家族を守る」 という一点。
多くの人は、他人の目や世間のルールに合わせてしまう。
だが私は、子どもたちを安全に、そしてのびのび育てるためなら、周囲にどう思われようが一切気にしない。
たとえば、公園で他の子が輪に入ってこようとした時。
私は明確に境界線を引く。
なぜなら、そこは“私の大切な子どもたちの世界”だからだ。
誰でも受け入れることが優しさではない。
家族の時間を守ることも、父親としての重要な役割だと考えている。
■ 孤高な父親が生む「深い安心感」
不思議なことに、私は他人には壁を作るが、
親友の子どもたちには驚くほど懐かれる。
なぜか？
理由はシンプルだ。
- 圧倒的な体力で全力で遊ぶ
- ルールや危険判断が明確で、ブレない
- 大人としての落ち着きを備えている
- 背景に“親同士の信頼”がある
子どもは言語ではなく“感覚”で大人を見極める。
安全か、守ってくれるか、楽しいか。
それを本能で感じ取る。
孤高な父親は、外には厳しく、内には深く優しい。
だからこそ、子どもたちは安心して飛び込んでくるのだ。
■ 我が子は“価値に気づくのが遅い”が、それでいい
興味深いのは、親友の子どもにはすぐ懐かれる一方、
我が子は“それほど気に留めない”ことだ。
しかし、これは子育てでは極めて自然な現象である。
近すぎる存在ほど、価値は見えにくい。
これは心理学でも語られる真理だ。
父親という存在は、
空気のように“当たり前”であり、
安心の基盤そのもの。
だからこそ、
真の価値に気づくのは思春期以降、あるいは大人になってからだ。
むしろ、それだけ家庭が安定している証拠でもある。
■ 孤高な父親の子育ては“未来の財産”になる
孤高な父親は、必要以上に他人と交わらず、
家族にすべてを注ぐ。
それは世間から見れば少数派かもしれない。
しかし子どもたちにとっては、
揺るぎない安心と強い背骨を与えてくれる存在 だ。
父親が一本芯の通った生き方をしていると、
子どももその姿勢を自然に真似る。
そしていつの日か、こう気づくだろう。
「父は、自分たちの世界を静かに守ってくれていたのだ」
孤高であることは、愛の欠如ではなく、
むしろ“深さ”そのものである。
私はこれからも、
自分の世界観を守りながら、家族に寄り添っていきたい。
それが、私なりの子育ての答えだ。