
退職してから、あっという間に42カ月が経ちました。
「無職で大丈夫なのか」と何度も不安になりながらも、今こうして穏やかに文章を書いている自分がいます。
今日は、この3年半で得た変化を少し整理してみようと思います。
まず一番の変化は、社会の仕組みを理解したことです。
失業保険や確定申告、助成金の申請、仮想通貨の売買まで。
今までは会社が自動で処理してくれていた世界の裏側を、自分の手で経験できました。
これは自立の第一歩でした。
次に大きかったのは、身体と心のつながりを取り戻したことです。
登山やボクシング、筋トレ、バスケット、農作業。
身体を動かすと、心も澄んでくる。
日々の瞑想や家事、料理もその延長線上にあります。
「生きるための身体」を再び使い始めた感覚です。
そして、心の奥にあった静かな喜びにも気づきました。
子どもと過ごす時間、自然と向き合う時間、サックスの音が響く時間。
それらはどれもお金では買えない価値を持っていました。
仕事を辞めて得たのは、自由よりもむしろ“心の余白”だったのかもしれません。
この期間にやってきたことを並べてみると──
自家製味噌や干し肉を作り、市民農園を運営し、放棄地を取得し、
農業研修や厨房の仕事にも挑戦し、SNS発信も始めました。
音楽にも再び触れ、星空を眺め、子どもと一緒に遊び、
気づけば毎日が「新しい自分を見つける練習」になっていました。
きっとこの42カ月は、“人生のリセット期間”ではなく
**“生き直す準備期間”**だったのだと思います。
無職という言葉の響きの裏側には、
確かに、もう一度人生を組み立て直す豊かな時間がありました。
この先も、開拓地で汗を流し、家族と笑い合い、
日常を噛みしめながら生きていきたい。
それが今の私の素直な願いです。