目次 ①退職の決断、②家庭との向き合い、③土地取得、④竹との対話、⑤娘の世界、⑥洞窟と沈黙
現場監督の私はその日川崎のとある企業の
事務所兼倉庫新築工事現場(1億規模)を運営していた
都内で狭小地で解体工事から始まった
工期の余裕がない現場だった
そんな中でも培った経験を生かして
現場を滞りなく進めていくことに
仕事としては納得していた
その他にも同時進行で越谷(0.5億規模)
+和光(0.3億)が進行していた
忙しく責任重い中でも自分の裁量で全てを
決定出来るので性に合っているし
13年も務めているので社内でも
知らない人間はいなかった
そんな時ふと上司から電話の着信があった
普段連絡などしないので不安が脳内をよぎった
時期的なものも重なり転勤かもしれないと思った
『現場に行って話がしたい』ということで
大方予想通り転勤だろうと確信した
そして2022年2月大阪転勤の内示が発表された
私は転勤するつもりなどないので
上司に対して転勤が取り消されないなら
辞職する旨をその場で伝えた
上司は冷静に転勤に対しての
不安要素を私から聞き取り
対応策を提示したが私の意思は固く揺るがなかった
そもそも社員が辞職を口に出したなら
そう簡単に意思は揺らぐものではないと思う
当時の心境としては
仕事に対してもそこそこの成果はあったし
会社に対して物申せる立場まで
成長しているという自負はあった
人材不足の中で生え抜きの中堅で
バリバリの世代であるし意見は通ると考えていた
そしてもし意見が不一致なら
退職して新しい道へ踏み出してもいいと思っていた
何より現状に満足していたし
未来に大きな刺激は少ないと飽きていたし
多分他でも生きていけると考えていた
32歳でそれなりの経験を終えて
プライベートでも新築を建て終り
次なる野望が無くなった状態で
次の楽しいことを探していたのは事実
転勤が無くなれば職場継続
意見が通らなければ違う人生のスタート
転勤が無くなっても近いうちに退職はしていたと思うので
いずれこうなったと感じています
社内でも意見が交わされたようでしたが
社長の判断は変わらず私は退職することになりました
退職に伴い引継ぎを行いつつ
社内でも挨拶を簡単に済ませていきます
13年務めても別れ方はさっぱりしており
私の中でもスパッと切れており
退職後引きずるつもりもないので
一切連絡先は持っていかず全ての縁を切りました
この決断は自らが行った結果なので
全く後悔しておらず新しい世界へ移るための
脱皮として必要でした
何にも頼らず自身で生きていくことが
私の大切な価値観なので貫いていきます
そしてあっけなく会社を退職したのでした
第2章へ続く